第96回 ウクライナを巡る「平和サミット」の不調は最初からわかっていたと冷笑する中共。だが、世界は中共が中心となった秩序は望んでいないのだ。
第96回 スイスで開催された平和サミットに中国は参加せず、最初から成功しないことはわかっていたなどと述べ、ロシア排除に動いた西側諸国の考え方がいびつだ、われわれこそ和平を望み最初から駆け回っていると主張しておりますが、要は自分たちが中心の平和構想でなければ受け入れられないと言っているのと同じではないでしょうか。そこには西側諸国が主体の現在の国際秩序に加わるつもりはない、自分たちが新たな秩序を作っていくのだとの主張が見え隠れし、現状を変更する勢力としての不穏な主張に聞こえるトーンがあります。 ご注意 以下は中共のプロパガンダ紙環球時報英語版の社説を翻訳したものであり、文中の意見や主張は本プログのものではありません。敵にしたときに慌てないように私達は敵のことをもっと知らなければなりません。 ウクライナ和平サミットはなぜ「ほとんど達成できない」まま閉会したのか? ス イスでウクライナ平和サミットが6月15日から16日にかけて開催された。90カ国以上から首脳や代表が出席したが、半数は西側諸国であった。イタリアでのG7サミットを終えたばかりの欧米首脳のほとんどが、この会議を支援するためスイスに向かった。主催者であるスイスは、会議の主な目的は、最終的にはロシアを巻き込む可能性のある「将来の和平プロセスを鼓舞する」ことだと述べた。しかし、欧米メディアはこの「平和サミット」を、どちらかの味方をするための会議として扱った。ブルームバーグは、グローバル・サウスのどの影響力のある国々が今回のイベントに参加したのか、その人員と態度はどの程度なのか、詳細に列挙している。中国、インド、南アフリカ、ブラジル、サウジアラビアなどがリストに載っている。 一部の欧米メディアの報道によれば、この会議は160以上の国や国際機関に招待状を送ったが、出席者リストは何度も変更され、結局100を超えなかった。ブラジル、インド、南アフリカは下級代表を会議に送り込み、他の数十カ国は欠席した。西側メディアは、主に "ロシアを孤立させることができなかった"という理由で、この結果に失望を表明した。この会議が「大きな成果を生む可能性は低い」と認識しながら、参加しなかった中国を非難し、さらには、欧米に対抗することを意図したウクライナ危機の政治的解決に関する中国とブラジルの「6項目のコンセンサス」...