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第116回ロシアの思考を理解しないと、ウクライナ含む東欧地区へロシアが異常な執着を示す理由は理解できない

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以下の記事は軍用航空や安全保障を専門とするT2と共通記事です   西欧との「文明戦争」で勝利できると信じるプーチンが目指しているのはロシア帝国の再興であり、暴力しか信じないロシアは西側には理解が困難(19fortyfive) ト ランプ政権は、就任直後に、ロシアとウクライナの停戦を外交政策の最優先課題としていた。ドナルド・トランプが、24時間以内にウクライナでの流血を終わらせる、と選挙キャンペーンで公約したことはさておき、新政権発足以来のアメリカの外交の試練と苦難は、ロシアとウクライナの間の実行可能で永続的な敵対行為の停止は、常に難題であったことを示している。その理由は、トランプ政権にはまだ十分に理解されていない。 ロシアの意図  ロシアは、2022年に再びウクライナ侵攻に踏み切った主な政策目標を達成できない限り、ウクライナ問題についていかなる結果にも関心がないのだ。米国政権がウクライナ停戦交渉を継続している事実は、ワシントンもロシア国家の本質、プーチン政策の動機、そして何よりモスクワが戦争を継続し、政権にとって受け入れ可能なコストで目標を達成できると信じている点を完全に理解していないことを示している。 ロシアにとって、この戦争はウクライナの特定の領土を征服すること、ウクライナに住むロシア系少数民族の言語権、または戦争の批判者が信じているようにウクライナをNATOから排除することではない。冷戦後、米国が旧共産圏の東欧とバルト諸国へのNATO拡大を推進した政策も、モスクワにとって真の開戦理由ではない。ウラジーミル・プーチンとクレムリンの核心部にとって、この戦争は最初からロシア帝国の再建を目的としたものだった。プーチンは2007年のミュンヘン安全保障会議で西側が築いた安全保障の秩序を拒否し、ソビエト連邦の崩壊を20世紀最大の地政学的災厄と述べたことで、事実上この戦争を宣言した。この文脈で、ウクライナへの2度の侵攻——2014年の第1次侵攻と2022年の第2次侵攻——は、西側の失策の結果として理解すべきではない。なぜなら、NATO同盟国はウクライナを同盟に加盟させるための合意に至らなかったという厳しい現実があるからだ。むしろ、これはより大きな戦争におけるもう一つの戦いに過ぎず、最初の戦いは2008年のジョージア侵攻で戦われたのだ。  ロシアの回復  ロシ...

第82回 ウクライナへ亡命したヘリパイロットをスペインで白昼暗殺したロシアは射殺を正当化----気に入らなければ謀殺は当たり前に考える思考方式が怖い

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(この記事は航空宇宙ビジネス短信ターミナル2(軍事航空など)ブログと共通の記事です) 第82回 自分たちに邪魔な者、裏切り者は抹殺して良いと平気で実行に移すロシアの権力側には多様性、意見の違いを認める思考は皆無で、黙認せざるを得ない国民にも民主主義の価値観は理解できない対象のようです。ただ、これはロシアに限ったことではなく、中共でも不審な行方不明、死亡は当たり前のことで、日本を取り巻く「敵性国家」に共通の行動様式ですので、われわれも注意が必要です。 。 Ukrainian Government ロシアのスパイ長官、最近射殺されたパイロット亡命者は「道徳的な死体 」と語る ウクライナに亡命した元ロシア航空宇宙軍Mi-8ヘリコプターパイロット、マキシム・クズミノフ Maxim Kuzminov の遺体が先週スペインで発見された。 ロシアの対外情報部 (SVR)は、昨年ウクライナに亡命したロシア軍ヘリコプターパイロットの暴力的な死に対応している。先週スペインで射殺されているのが発見されたロシア航空宇宙軍(VKS)のパイロット、マキシム・クズミノフの死において、クレムリンの潜在的な役割への疑惑は、これからさらに重くのしかかるだろう。  「ロシアでは、死者について良いことを言うか、まったく何も言わないかのどちらかを選ぶのが通例です」と、SVR長官であるセルゲイ・ナリシキンは、クズミノフについて質問されて答えた。  「この裏切り者で犯罪者は、汚らわしく恐ろしい犯罪を計画したまさにその瞬間に、道徳的な死体となった」とナリシキンはロシア国営タス通信の発言を引用した。  クズミノフの遺体は先週火曜日、スペイン地中海沿岸のアリカンテ地方にあるビリャホヨサの団地の下の駐車場のスロープで発見された。報道では、正体不明の武装集団に殺害され、銃弾12発が撃ち込まれたとされている。  近くの町エル・カンペーロで焼け焦げた車が発見され、スペイン警察は当初、ギャングがらみの銃撃事件と考えていた。  クズミノフはウクライナを離れた後、人気の観光地アリカンテに移り住んでいたようだ。スペインの国営通信社EFEによれば、クズミノフはウクライナのパスポートを使用しながら、別の名前でアリカンテに住んでいたという。  ウクライナ国防省情報局(GUR)の匿名情報源を引用し、ウクライナ・プラウダ紙は、クズミノフの遺体...

第14回 インフレの原因を作ったのはG7だというプーチンの主張

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  Know Your Enemy:  今回はロシアです。 ポイント: 西側世界のルールに従うつもりはない。世界規模のインフレを招いたのはG7の無策が原因だ。 © Sputnik / Mikhail Metzel / Go to the photo bank     欧 米諸国がインフレ率の上昇への対処に躍起になる中、ジョー・バイデン米大統領は、インフレは「プーチンの値上げ」の結果と主張し、自国とヨーロッパの経済苦難の責任をロシア大統領に押し付けようとしている。  世界中で観察されるインフレ上昇の原因は、ロシアのウクライナでの軍事作戦ではなく、G7諸国による長年の「無責任な行動」にあると、ウラジーミル・プーチン大統領が金曜日述べた。 「インフレの急激な上昇は昨日起こったことではなく、G7諸国の長年にわたる無責任なマクロ経済政策の結果である」とプーチン大統領はBRICSプラス会議の中で述べた。  西側諸国はウクライナでの軍事行動をめぐりロシアに圧力をかけ続けているため、インフレの急上昇を経験している。米国ではインフレ率が8.6%を超え、英国の前年比インフレ率は9.1%、ユーロ圏では8.1%と報告されている。  しかし、欧米諸国はロシアの軍事作戦を「侵略」と非難し続けており、モスクワはドンバスの人々の救援要請に応じ作戦を開始し、「ウクライナの非軍事化、脱ナチス化」を目標に掲げていると強調している。 ルールは誰が決めるのか? ロシア大統領によれば、世界の貿易は「混迷」しており、世界の金融システムはぐらつき、サプライチェーンは混乱しているという。  プーチン大統領は、ウクライナ産穀物の供給への懸念について、こうした懸念は人為的に煽られたものであり、ロシアはウクライナから輸送される穀物にいかなる障害も与えていないと述べた。  「農産物、肥料、エナジー担体、その他重要製品の供給に関するすべての契約上の義務を誠実に履行し続ける用意があるのは確かだ」と述べた。  さらにプーチンは、国連中心の世界の安全保障構造を、いわゆる「ルールに基づく秩序」に切り替えようとする国があると指摘した。  「何のルールだ?そのルールは誰が作るのか」と疑問を呈した。  BRICS諸国が多くの問題で意見を共有していることから、BRICS+は「有用」であり、参加者は世界に...

第6回 世界的インフレはG7の失策が原因だ。ロシアの特別軍事作戦に非はない。(プーチン)

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  Know Your Enemy:  ポイント: 西側世界のルールに従うつもりはない。世界規模のインフレを招いたのはG7の無策が原因だ。 © Sputnik / Mikhail Metzel / Go to the photo bank Subscribe       欧 米諸国がインフレ率の上昇への対処に躍起になる中、ジョー・バイデン米大統領は、インフレは「プーチンの値上げ」の結果と主張し、自国とヨーロッパの経済苦難の責任をロシア大統領に押し付けようとしている。  世界中で観察されるインフレ上昇の原因は、ロシアのウクライナでの軍事作戦ではなく、G7諸国による長年の「無責任な行動」にあると、ウラジーミル・プーチン大統領が金曜日述べた。 「インフレの急激な上昇は昨日起こったことではなく、G7諸国の長年にわたる無責任なマクロ経済政策の結果である」とプーチン大統領はBRICSプラス会議の中で述べた。  西側諸国はウクライナでの軍事行動をめぐりロシアに圧力をかけ続けているため、インフレの急上昇を経験している。米国ではインフレ率が8.6%を超え、英国の前年比インフレ率は9.1%、ユーロ圏では8.1%と報告されている。  しかし、欧米諸国はロシアの軍事作戦を「侵略」と非難し続けており、モスクワはドンバスの人々の救援要請に応じ作戦を開始し、「ウクライナの非軍事化、脱ナチス化」を目標に掲げていると強調している。 ルールは誰が決めるのか? ロシア大統領によれば、世界の貿易は「混迷」しており、世界の金融システムはぐらつき、サプライチェーンは混乱しているという。  プーチン大統領は、ウクライナ産穀物の供給への懸念について、こうした懸念は人為的に煽られたものであり、ロシアはウクライナから輸送される穀物にいかなる障害も与えていないと述べた。  「農産物、肥料、エナジー担体、その他重要製品の供給に関するすべての契約上の義務を誠実に履行し続ける用意があるのは確かだ」と述べた。  さらにプーチンは、国連中心の世界の安全保障構造を、いわゆる「ルールに基づく秩序」に切り替えようとする国があると指摘した。  「何のルールだ?そのルールは誰が作るのか」と疑問を呈した。  BRICS諸国が多くの問題で意見を共有していることから、BRICS+は「有用」であり、...