第89回 各国外交団が北京入りしているのを中国外交の勝利と早とちりする中共
第89回 訪中する各国要人が増え続けているのは、中国外交の勝利であり、多極化する世界の潮流の中で中国の立場が理解されているためとしつつ、世界が頂点にある中国にひれ伏す構図を満足して眺めている中共は逆に世界の潮流に乗り遅れる可能性があることに気づいていない。 ご注意 以下は中共のプロパガンダ機関環球時報英語版の社説を翻訳したものであり、表明されている意見、主張等は当ブログのものではありません。あくまでも敵を知るために、敵の思考様式をお伝えしているだけですので、誤解なきようお願いいたします。 中国外交の慌ただしさは偶然ではない:環球時報社説 国 際関係に関心のある人なら、北京で外交活動が集中的に展開されている状況に注目せずにはいられないだろう。4月9日、北京にはロシアのラブロフ外相、米国のイエレン財務長官、ベトナムのブオン・ディン・フエ国会議長、シンガポールのヘン・スイ・キート副首相、ミクロネシア連邦のウェスリー・W・シミナ大統領など太平洋島嶼国の国家元首など、周辺国の大物政治家が同時に訪問した。さらに、ドイツのオラフ・ショルツ首相とアメリカのアントニー・ブリンケン国務長官も中国行きの飛行機に乗る準備をしている。 米露両国の高官が北京にいることだけでも、中国の重要性が際立つという見方もある。しかし、よく観察してみると、アメリカやロシアだけでなく、ドイツなど古くからの西側大国や多くの発展途上国からも高官が訪れている。その中には、中国と高水準の相互信頼と伝統的友好関係を維持している近隣諸国、中国と意見の相違があり、中国を主要な戦略的競争相手とさえ見ている大国、そして、外の世界の多くの人々が中国と何らかの形で「製造競争」をしていると見ている新興経済国も含まれている。このような豊かな外交的景観は、今日の世界、特に大きな影響力を持つ大国にとっては、ほとんどユニークなものである。アメリカのメディアの中には、これを「バランスを取るのが難しい」と表現するものもあるが、この表現は明らかに視野が狭すぎる。 これほど多くの政治指導者がほぼ同時に北京に姿を現したのは、偶然の一致である。意図的に仕組まれたものではなく、中国の大国としての特色ある外交の必然的な結果であり、鮮やかな現れである。近年、国際情勢は急速に変化しているが、中国は常に調和と共存を堅持し、国際的に真の多国間主義を維持し、同