第7回 G7、NATOがともに中国対抗で結束するのを止めたいCCP
CCPのポイント:G7、NATOともに反中姿勢を強めるのを警戒し、米国に操られる役目しか果たしていないことを各国に気づかせる=機構の実効性を低下させたい。
UK Prime Minister Boris Johnson (front left), US President Joe Biden (center) and German Chancellor Olaf Scholz (front right) and other leaders of the G7 sit at a session during the first day of the G7 Summit at Schloss Elmau, Germany, on June 26, 2022. Photo: AFP
日曜日にドイツのバイエルン州でG7サミットが開幕し、火曜日から木曜日までスペインのマドリッドでNATOサミットが開催される。一部の米国メディアは、米国が 「中国に対抗するための最も厳しいプレイブックを携えて 」欧州に到着した、と伝えている。
プレイブックの具体的な内容が、2つのサミットで国際世論の最大の焦点となっている。NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は先に、NATOサミットで新戦略概念を発表し、初めて中国からの「挑戦」に言及することを明らかにした。
地球規模の問題がますます顕著になり、地域的な危機が次々と発生しているこの時期に、西側諸国の最高レベルの2つの首脳会議で、中国をライバル視し、敵視まですると、中国が重要なパートナーになり得たのに残念というより他はないだろう。
皮肉なことに、両首脳会談は「前例のない結束」を示すという。その結束は西側の一部のサークルの中だけのものだ。地球全体としては、「分断された世界」を象徴する不吉な角笛の音にしか聞こえない。つまり、西側が小さなサークルに力を入れれば入れるほど、地政学的な敵対関係や軍事的な安全保障要因が大きく増幅される。G7サミットでは、COVID-19パンデミック、飢餓、貧困、気候変動などグローバルな問題についても声明を出すが、声明は、G7を多少良く見せるだけにすぎないと人々は考えざるを得ない。
米国や欧米の世論の関連コメントでは、2つの興味深い言葉が目につく。「タイミング」と 「コスト 」だ。日本は欧米圏で 「幸運」に恵まれており、中国にネガティブな行動を取るリスクは今のところ低いと見るアナリストもいる。一方で欧州は、中国への巨額の投資に対する「脅威」を恐れ、中国を怒らせることによる「利益」を考慮し、より慎重になっている。これらの分析は、ある程度、中国に対処する際の一部西側諸国による日和見主義的傾向を反映したものだ。
こうした傾向は、現実の中でも確認できる。今回のNATO首脳会議で、日本は韓国、オーストラリア、ニュージーランドを「小さな会議」に引きずり込むだけでなく、日米韓首脳会談の再開を積極的に働きかけようとするだろう。東京は「中国の脅威」を手がかりとして、これらの国々をつなぎ合わせようとしている。
中国との「激しい競争」という米国の戦略のバトンの下、一部国はG7とNATOの首脳会談を、自らの意義を強調し、「舞台を利用」し、戦略的野心を実現する機会とみなしている。これらの国がいかに日和見主義的に政策を誘導しても、反中姿勢は決して彼らの「好機」にならないと指摘しておかなければならない。
世界情勢の激変で一度つまづいた国は、「今度はラッキー」と思わないでほしい。自らを地政学を操るチェスプレーヤーと思いがちだが、結局はチェス盤上の大国の「駒」でしかない。
西側ブロックの「兄」として、米国はすべての同盟国を扇動し、中国に対抗するグループ全体の競争戦略に巻き込んできた張本人である。しかし、アメリカは本質的には最大の投機家だ。ワシントンが「自由」や「人権」といった派手な「価値」を語るとき、売り込んでいるのは私利私欲だけであることは、誰でもわかる。米国は常に、高尚なレトリックで覇権主義を白日の下にさらす悪い癖がある。今日、イデオロギーと価値観に包まれた同盟国とのいわゆる協調的中国政策の核心は、中国との相互作用の観点から発言権と最終決定権を完全に取り戻すことにある。
G7もNATOも、首のないハエのように歴史の中で混乱にまみれていた。1970年代に誕生したG7は、もともと世界経済危機に対処するため設立されたが、2008年の国際金融危機を前にその無能ぶりを発揮した。これに対応して登場したのがG20だ。NATOは言うまでもなく、冷戦時代に発足した西側の軍事同盟だが、明らかに今の時代と相容れない。現在、米国を中心とする西側諸国は、G7に比重を置き、G20は疎外し、NATOを強化し始めている。しかし、間違った方向に目を向けるのは、前進しないことよりはるかに危険であると強調せめばばならない。
世界が真に必要とするのは、対立を煽り立てる破壊的な勢力ではなく、平和を維持し、発展を促進する勢力である。「国際秩序の再構築」を理由に日和見主義を追求することは、喉の渇きを癒すため毒を飲む結果にしかならないことは、さまざまな兆候で示されている。中国を「チャンス」として挑発しても、結局は「羊毛を取りに行ったのに、毛を刈りとられて帰ってくる」ようなものであることが、現実により証明されるのである。■
Fortune never favors those who provoke China: Global Times editorial
By Global Times
Published: Jun 27, 2022 12:07 AM
Comments
Post a Comment