第58回 対米追随する欧州は「日本化」しており、自分たちの経済を犠牲にして地政学を弄んでいるだけというCCPの考え方は、そもそも自分たちが世界に与えている警戒感を全く理解できていない

 第58回 米国に追随し、自らの経済成長を犠牲にするのを「日本化」と勝手に呼ぶシナの知識人見解を伝えるCCP子飼いの環球時報英語版論説記事。なぜ、世界から自国が警戒されているのか全くわかっていない井戸の中の蛙のような自己中心的な見解に驚くしかない。


ご注意 以下はCCP直系と言われる環球時報英語版の記事をそのまま日本語にしたものです。文中での部分は当ブログによるものです。

Illustration: Liu Rui/GT

Illustration: Liu Rui/GT



ジョー・バイデン米大統領は日曜日から木曜日にかけ、イギリス、リトアニア、フィンランドを訪問する。▼リトアニアのビリニュスで開催されるNATO首脳会議、フィンランドのヘルシンキで開催される北欧首脳会議など、バイデンのヨーロッパ歴訪は重要なアジェンダを含んでいる。▼バイデンが訪問する3カ国は、近年、アメリカの戦略的方向性に近づこうと努力している国ばかりである。▼例えば、英国は対中関係に政治的、安全保障、イデオロギーの各要素を注入しようと腐心している。▼リトアニアは「中国に対抗し、米国に近づき、反ロシア感情を促進し、台湾問題で中国の核心的利益に挑戦し、中国と中東欧の現実的協力を損なう」という論理を主張している。▼フィンランドはロシア・ウクライナ紛争後、中立を返上しNATO加盟し、ロシア封じ込めの最前線に躍り出た。▼欧州連合(EU)と一部欧州諸国は、対米政策を「日本化」する傾向を示している。▼経済、軍事、政治の各分野で米国依存度を高めており、ブロック政治でも、より意識的に米国と連携するようになり、地域レベルでブロックの戦略的ライバルと対決する先駆者にさえなっている。▼近年の日本の外交政策から判断すれば、これはまさに日本が行ってきたことだ。▼例えば、EUは初めて「脱リスク」という概念を提唱し、初の経済安全保障戦略を発表し、経済や科学の分野で政治化・安全保障化された物語を強めている。▼オランダは日本とともに、中国が先端半導体製造技術にアクセスするのを阻止するための米国主導の連合に参加している。▼EUはまた、ロシアに11回にわたる制裁を課し、ウクライナに130億ドル以上の軍事援助を行った。▼このように、EUは意識的であろうとなかろうと、米国の覇権主義の猫の手となり、さまざまな面で自国利益を著しく害しているように見える。▼経済的には、EUはウクライナ危機とその結果により最悪の打撃を受けた地域のひとつである。▼持続的なインフレとエネルギー問題に直面し、多くの欧州人が生活費上昇という課題に苦しんでいる。▼最近のデータによると、ユーロ圏とEUはともに2022年第4四半期に前期比0.1%の縮小を経験した。▼2023年第1四半期の前期比成長率もそれぞれ0.1%と0.2%に過ぎない。▼ドイツは四半期ベースで景気後退さえ経験している。▼同時に、EU自身の産業競争力、特に製造業は深刻な持続可能性の危機に直面している。多くの産業、特にエネルギー多消費型産業が永久閉鎖に直面している。▼米国のインフレ抑制法は、欧州における雇用機会と産業投資をさらに弱体化させている。▼ドイツ経済研究所が発表した調査報告書によると、2022年のドイツからの海外直接投資(FDI)の純流出額は過去最高の1250億ユーロに達した。▼同時に、EUのロシア・エネルギーからの切り離しや、ウクライナ危機による米国の安全保障への依存度の高まりにより、EUは米国の液化天然ガスや軍事装備の購入を継続的に拡大しており、EUの貿易構造や財政状況に、より大きく重大な課題を突きつけている。▼こうした中で、EU自身の国際的な経済力は、低下傾向をさらに悪化させる可能性が高い。▼2008年にはEUのGDP総額が米国を上回ったが、2022年には米国に逆転された。▼デジタル経済、半導体、エネルギーコストにおけるEUの不利は、EUの競争力をさらに低下させている。▼一方、EU経済の弱体化は共通通貨の国際的影響力も弱める。▼世界銀行間金融通信協会(SWIFT)の国際決済システムにおけるユーロの使用率はここ数カ月低下しており、今年4月には米ドルとの差は11ポイントに達し、過去3年間で最低の水準に達した。▼2012年には、取引の45%がユーロで決済され、米ドルは30%を下回った。▼EUがユーロ圏債務危機、ブレグジット、COVID-19パンデミックと立て続けに危機に見舞われていることを考えれば、今後のユーロの発展基調を支える強い勢いの出現を期待するのは難しい。▼日本は、米国の支配的な体制に本格的に従属することで、「失われた30年」を経験した。▼日本の経験と同じように、EUも自国の経済的利益を犠牲にしてまで、地政学的、大国主義的な駆け引きを続けている。■


Europe ‘Japanizing’ its US policy could backfire - Global Times

By Dong Yifan

Published: Jul 09, 2023 07:48 PM


The author is a research fellow with the Institute of European Studies, China Institutes of Contemporary International Relations. opinion@globaltimes.com.cn



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