第65回 キャンプ・デービッド三カ国首脳会談に対し、早速中共が警戒する論調を発表したのだが....

第65回 キャンプ・デービッドでの日米間傘首脳会議に警戒する中共の主張が支離滅裂になっている。中共にとって自国こそ平和勢力であり、その意志を阻む勢力はすべて分断、対立を招く不純な動きになる。せっかく左翼政権下で都合よい路線にむかっていた韓国が簡単に日米と連携するのは許せない感情があるのだろう。

ご注意 以下は中共のプロパガンダ機関環球時報英語版の社説を日本語にしたものです。文中の意見主張は当ブログのものではありません。


日韓両国は莫大な犠牲を支払い、米国の警備役につく: 環球時報社説

現地時間8月18日、キャンプ・デービッドで日米韓首脳会談が始まった。報道によると、3首脳はそれぞれ2国間、3国間で会談を行い、同日のうちに共同記者会見を行う予定だという。1日足らずの首脳会談では、「キャンプ・デービッド原則」と「キャンプ・デービッドの精神」に関する2つの成果文書が採択される見込みである。しかし、木曜日に日本の外務省が発表したところによれば、日中韓の文書の中で「中国をどのように、どの程度描写するか」については、議論中のままだという。


アメリカは今回の首脳会談を「21世紀の日中韓関係」の構築と表現し、大きな期待を寄せているが、話題が細部に及ぶと、当事者間の相違を隠すことはできない。アメリカは確かに、外交、軍事、経済の各分野で、日本と韓国を中国の蝶番となるロープに結びつけたいのだろう。とはいえ、ワシントン・ポストによれば、バイデンが直面する課題のひとつは、アメリカの政策が「ソウルと東京の共通の利益にもなる」ことを、どうやって日本と韓国に納得させるかだ。この芸術的な解釈は、実際には「アメリカはいかにして日本と韓国を欺き、自国の国益を進んで放棄させ、『新冷戦』のフロンティアでアメリカのために立ちはだからせるか」という意味である。


この説明は難しい計算ではない。もし日米韓の三国構造がアメリカの意思に完全に沿って作られるなら、アジア太平洋地域にもたらす展望は容易に予測できる。第一に、三国間の安全保障協力は北朝鮮を直接の標的とするが、これは朝鮮半島を圧力鍋に変えるに等しく、韓国は安全保障上の圧力の矢面に立たされることになる。米国のいわゆる「拡大抑止」が韓国に真の安全をもたらすことができなかったことは、数十年の経験が証明している。第二に、科学技術における安全保障を強化しようとするアメリカの努力は、いかに白紙に戻そうとしても、おそらく北東アジアで苦労して勝ち取った経済・貿易の生態環境を破壊するだろう。ワシントンの青写真によれば、最初に被害を受けるのは日本と韓国の企業であり、アジア太平洋地域の経済的繁栄は傷口を広げ、より広い地域に感染する可能性さえある。


日本や韓国の政策立案者がこうした結果に気づかないわけではないし、こうした行動が中国などの地域諸国を警戒させ、黙って見ているはずがないことをよく知っている。それゆえ、サミットで中国をどのように言及すべきかで、3カ国の態度に明らかな違いがある。


聯合ニュースによると、首脳会談の前日、韓国大統領府のある関係者は、今回の会談の焦点は中国を封じ込めることではなく、物議を醸している対中投資制限について話し合うとは考えていないと述べたという。ブルーハウスは、これが韓国の国益に合致しないことをよく知っているからだ。


我々が繰り返し言いたいのは、東京とソウルはこの問題に関し希望的観測を抱いてはならないということだ。政治や安全保障の面で米国と緊密に結びつけながら、経済や社会発展の面でアジア太平洋の繁栄の恩恵を受けることができるような「完璧なバランス」は、ここには存在しない。日本と韓国の意思決定者はあまりにも近視眼的で利己的である。もし彼らが、今日の自分たちの決定が日本と韓国の次の世代に影響を与える可能性があることを考慮せず、現在の「対米外交の成果」だけ注目しているならば、両国の発展の軌跡が今後数十年にわたって影響を受けるだろう。自分たちの将来の世代のためであれ、アジア太平洋地域の繁栄と安定のためであれ、彼らには歴史的責任がある。


水曜日、韓国大統領府はキャンプ・デービッド首脳会談で期待される成果を明らかにし、この日は「3国間の協力の歴史における分岐点となる瞬間として語り継がれるだろう」と述べた。この発言は、首脳会談に疑問を抱いた韓国国内向けのものだろう。気になるのは、「キャンプ・デービッド首脳会談」が確かに北東アジア情勢の分水嶺になるかもしれないが、それは韓国が描くような意味ではないということだ。むしろ、平和と発展のため東アジアが協力して相違や論争を乗り越えてきた過去から、分裂や論争を増幅させ、派閥化や対立を招く方向へとシフトすることを意味するかもしれない。『環球時報』では以前の社説で、「キャンプ・デービッド・サミット」が「新たな冷戦」に向かうラッパを鳴らすことになると指摘していたが、サミットが開催される今、懸念はさらに強まっている。


ラーム・エマニュエル駐日米大使は、「この(キャンプ・デービッド・サミットは)チェス盤上の大きな一手であり、行ったり来たりするものではない」と認めており、アメリカが重要な戦略的動きを見せていることを示している。アメリカは誰とこのチェスゲームをするつもりなのだろうか?また、アメリカは誰を駒と見ているのだろうか?明言するまでもなく、誰もが理解していることもある。


米国がとった積極的な「大きな一手」は、否応なく巻き込まれる当事者全員に甚大なリスクをもたらす。ロシアとウクライナの紛争につながるヨーロッパの安全保障上の苦境からの教訓は、厳然たる警告である。「キャンプ・デービッド・サミット」が示唆する行き先は、東アジア地域が強力に回避すべき落とし穴である。今日、熱心にサミットに出席している日韓両首脳は、遅かれ早かれ、この落とし穴に足を踏み入れた結果を経験することになるだろう。■


Japan and S.Korea stand guard for US at huge potential cost: Global Times editorial

By Global Times

Published: Aug 19, 2023 12:32 AM


Comments

  1. ぼたんのちからAugust 19, 2023 at 2:16 AM

    国力の低下により他国に付け込まれると被害妄想に益々苛まされるCCP中国にとって、日米韓首脳会談は、中国をどのように包囲し、貶めるかの相談と考えているのだろう。そしてそれは当たっているのかもしれない。
    だが、この三カ国会談はいつまで毎年行えるか心もとない。なにしろ政権が変わるたびに大きく外交が振れる南朝鮮は、次にどのようになるか全く予想がつかない。むしろ老いぼれバイデン政権が続く間だけでも、極東の状況を安定化させるのが目的と考えるべきだろう。
    今回の会談は、日本政治にとって大きな転換点になるのかもしれない。会談直前に中国のサイバー攻撃により、防衛省の情報が盗まれるという衝撃的で、意図的報道があったが、この報道の意味は、もしかすると政権内、及び与党内の親中融和派を政権中枢から排除しろとの米国の要請とも読める。
    防衛省が侵入された2020年の防衛大臣はKohであり、それまで全面的な侵入を曲がりなりにも阻止できていたかもしれない状況から、全面的な侵入を許すのは、Kohルートから何らかの秘密の漏洩があったかもしれないと疑うべきだろう。Kohは、一族に中国ビジネスがあり、ハンター方式でCCPの手加減で利益を得られる状況にあるのは周知のことである。
    また、CCP中国に対するガードが低い現政権には、Rin外相はじめ他にも親中大臣が多い。また、異常に親中な宗教政党が与党にあり、このような状況では台湾侵攻時等に適切な対応をとれないと見られても不思議でない。しかし、灯の消えた昼行燈政権では、強い指導力を求めるには無理がある。やれやれ。
    ところで、このサイトの時刻は不正確だと思います。

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