第75回 フィリピンが日米へ接近することで慌てる中共。ドゥテルテ前政権までの外交路線の変更に警戒。しかし、その原因は自らにあることは棚上げ。
ご注意 以下は中共の子飼いのプロパガンダ紙環球時報英語版の論説ページに掲載された記事の翻訳です。文中の主張は当ブログのものではありません。
CNA
フィリピンのハイメ・バウティスタ運輸長官は月曜日、国内の3つの主要鉄道プロジェクトについて、中国からの資金調達を諦めたことを明らかにした。現在は、日本、韓国、インドに資金を求めている。この動きは、中国が提唱する「一帯一路」構想からフィリピンが「離脱」するシグナルだとみなす向きもある。
中国とフィリピンの二国間関係は大変悲観的な様相を呈している。フィリピンがアメリカや日本と安全保障や軍事協力を行っていることは、中国の国家安全保障に大きな害を及ぼしている。さらにマニラは今年、海洋問題で中国に挑み続けており、南シナ海問題でフェルディナンド・ロムアルデス・マルコスJr政権がとった措置は大胆だった。
マルコス・ジュニア政権が発足して以来、中国社会は新政権が中国との友好関係を維持する流れを継続することに大きな期待を寄せていた。しかし今日、二国間関係は新たな低水準に達しようとしているように見える。
南シナ海問題が中比関係の発展に影響を与える主な要因であり、2013年以降の二国間関係に影響を及ぼしていることは間違いない。しかし、要因はそれだけではない。
グロリア・マカパガル・アロヨ前大統領の時代も、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領の時代も、中国とフィリピンの関係は南シナ海問題の勃発にもかかわらず安定していた。
しかし、大国間の競争、特に米国の地域問題への干渉は、中国とフィリピンの二国間関係を安定させる努力をより困難なものにしている。
米国のアジア太平洋地域における政策の調整、特に対中封じ込め政策のエスカレートに伴い、ワシントンは南シナ海問題に意識的に介入し始め、中国と他の領有権主張国との間にくさびを打ち込むために利用している。筆者は、2010年以降の南シナ海問題の盛り上がりは、アメリカの干渉が大きく関係していると考えている。
アジア太平洋地域における米国の伝統的な同盟国フィリピンは、当然ながら米国の "誘惑 "のターゲットとなった。しかし、フィリピン社会は一つの疑問を熟考する必要がある: 米国に追従し、域外の大国との軍事・安全保障協力を強化し、中国との海洋紛争を煽ることで、フィリピンは何を得られるのだろうか?もしマニラに北京に対する十分な戦略的理解があれば、このような対中強硬政策がフィリピンに何の利益ももたらさないことを理解するはずだ。それどころか、二国間関係の不安定化や地域の不安定化、さらには中国との経済的な結びつきの弱体化につながる可能性が高い。さらに、アメリカのようなグローバル・パワーにとって、フィリピンへのコミットメントの目的はただ一つ、アメリカの国益と世界戦略に貢献することである。
フィリピンに別の選択肢がないわけではない。例えば、ドゥテルテ前大統領の時代、フィリピンは中国との南シナ海紛争を非エスカレート化し、米国の影響から自由な二国間関係の安定を保つ道を選択した。
マルコス・ジュニア大統領は、来週サンフランシスコで開催されるアジア太平洋経済協力首脳会議に出席した後、ハワイ州にある米インド太平洋軍司令部を訪問すると報じられている。南シナ海の紛争について話し合うのではないかと推測されている。
マルコスJr.はかつて、中国とフィリピンの関係は海洋問題で定義されるべきではないと述べたことがある。彼はまた、双方がこの点でコミュニケーションをさらに強化する可能性があり、フィリピンは、より強固で強い二国間関係を構築するため、潜在能力を引き出し、多くの分野で協力を拡大するため中国と協力することを楽しみにしていると述べた。そうならば、なぜフィリピンは南シナ海問題をいたずらに拡大させ、あるいは中国と断絶していかなければならないのだろうか。フィリピンのような国にとって、国内の経済発展の必要性を無視して、大国間の競争に積極的に介入し、大国との安全保障上の対立を激化させることは、火の中に身を投じること以外の何物でもない。■
The author is the director of the Center for Philippine Studies at Jinan University, Guangdong, China. opinion@globaltimes.com.cn
Unwise for Manila to tangle itself in major-power rivalry - Global Times
By Dai Fan
Published: Nov 09, 2023 06:21 PM
コメント 中共に格下国家と見下されて、衝突、放水銃など海上でいやがらせまでうけておいて、価値観が共有できないと西側に近づくのは伝統的なフィリピンの外交政策では正常なことではないでしょうか。同盟国が皆無の中共にとって、包囲陣が着々と整備されていく姿を見ると不安になるのでしょうね。しかし、それが身から出たサビだということがなぜわからないのでしょうか。
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