第76回 公明党山口代表の訪中を高く評価する中共。まるで公明党以外の政党にも中国への恭順の意思を示せと言っているようだ。

 第76回 公明党が中国寄りの姿勢を維持してきたことを評価し、日本の実際の対中政策が中国にとって不都合な方向に向かっていることを苦々しく思う中共の思考がよくわかる環球時報の記事。関係を改善したいのなら公明党のように中国に恭順の意思を示せ、というのがオチ。


ご注意 以下は中共の子飼いプロパガンダ新聞環球時報英語版の社説をご紹介するものであり、当ブログの意見ではありません。



山口那津男の努力を高く評価する: 環球時報社説


明党の山口那津男代表が22日から2日間の日程で中国を訪問した。山口代表の訪中は4年ぶりとなる。山口代表は訪問に先立ち、公明党の創始者である池田大作氏が築いた中日友好の「黄金の橋」を渡り、中日関係の永続的な安定と繁栄に向けて努力したいと述べた。当初は今年8月末に予定されていたこの訪問がついに実現したことは、実に貴重であり、大切にすべきことである。


山口の訪問をまず温かく歓迎したい。報道によれば、山口代表は岸田文雄首相から中国の指導者への親書を携えている。公明党は山口代表の訪中に大きな期待を寄せ、中日関係の改善と発展に寄与することを期待している。これは中国との関係を修復したいという日本社会の願望をある程度まで反映している。


公明党は、中国との友好交流の伝統を長く保ち、日本の連立政党の一つでもある。11月15日に亡くなった池田大作氏は、早くも1968年に中華人民共和国の正式承認を提案し、日中国交正常化を提唱した。日中平和友好条約の締結は、池田氏と公明党の貢献と切り離すことはできない。


中日友好を推進する精神と信念は、公明党にも受け継がれている。公明党の党首になって以来、山口代表は二国間関係が困難な時期に、日本の首相からの親書を携えて何度も中国を訪問した。これらの手紙には、日中間の相違や対立を埋めることを目的とした親善と協力のメッセージが込められていた。これは中日間のユニークで効果的な外交アプローチとなり、日本の歴代首相からも注目されている。これまで山口は日本の首相から中国指導者への親書を5通以上届けている。


私たちは、山口氏とその代表団が中国社会と日本社会の「メッセンジャー」として、日本から中国に思いを届け、同様に中国社会の純粋な気持ちを日本に伝えてくれることを願う。しかし、「私信外交」の効果や山口の訪中が大きな成果を上げられるかどうかは、東京の対中姿勢や行動によるところが大きい。歴代首相の親書で伝えられた平和的で友好的なメッセージに比べ、中国の核心的利益や発展権益に関わる問題での日本のパフォーマンスは、中国国民の懸念や反発を招く可能性が高い。形式が徐々に事実と実質から乖離すれば、その結果としての影響力は当然低下する。


私たちは山口を良き友人と見なしているが、日本政府の対中戦略に変化がなければ、山口と公明党が行動できる空間は狭まっていく。しかし一方で、そうなればなるほど、山口と公明党の執念と努力の価値は高まる。山口のように中国社会から信頼を得られる日本の政治家は少なく、日中友好の後継者不足が懸念される。


今年は日中平和友好条約締結45周年であり、公明党にとってより大きな意義があることは明らかだ。池田が残した精神的・政治的遺産を大切にし、この友好の歴史を忘れず、中日関係を健全で安定した発展の軌道に戻すことは、中国側と公明党の共通の願いだ。現在、日本の対中外交全体が、山口代表と公明党が主張し、努力してきた方向からどんどん遠ざかっており、形と内容の乖離、言動の乖離という二面性がますます明白になっている。これは単に日本外交の偽善と理解するのではなく、もっと大きな意味でのもつれやためらい、つまり調整の可能性がまだ残っているということなのかもしれない。


日中両国の首脳はサンフランシスコで会談し、両国が互恵の戦略的関係を包括的に推進することを再確認したばかりだが、これは健全で安定した中日関係への回帰である。中日関係の全体的な改善を推し進めるためには、日本側が中国にもっと好意を示し、より実際的な行動をとることで、中国社会の尊敬と信頼を得ることがカギとなる。これは難しいことではあるが、公明党にとっては、池田が生前に行ったような歴史的なチャンスである。■



Natsuo Yamaguchi's efforts are highly commendable: Global Times editorial

By Global Times

Published: Nov 23, 2023 12:52 AM Updated: Nov 23, 2023 12:48 AM


Comments

  1. ぼたんのちからNovember 24, 2023 at 5:43 PM

    公明党代表の山口の訪中について、疑問に思うことが多々ある。
    実質的には宗教政党である公明党は、その宗教の中興の祖である池田が亡くなって日にちを置かず、なぜ中国に代表を送ったのだろうか。
    池田が日中国交回復に大きな役割を果たしたのなら、常識的にはCCP中国から先ず弔問に来るべきだろう。CCPは、幹部かOBあたりを寄こすだろう。
    しかし、逆に日本から宗教政党の代表が行くことは、極めて不自然に感じる。
    (この辺り、理由の分かる人は教えて!)
    まるで山口は、池田が亡くなった後のCCP中国との関係を打ち合わせに行ったように思える。それならば公明党は、何の弱みがあるか分からないが、CCP中国と従属的な関係になっているのだろう。そして、そのような政党は、与党になるべきでない。
    また、日本の首相である、灯の消えた昼行燈は、山口に親書を持たせるなど、CCP中国に対する認識が甘過ぎるようにも思える。これじゃ、支持率回復は望めない。早々に退出すべきかも。

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