Posts

Showing posts from June, 2024

第97回 日本人親子をかばって死亡した中国人服務員に対する環球時報社説

  第97回 痛ましい事故で、身を持って日本人母子を守ろうとした中国人女性が亡くなったのですが、この犠牲については日中が心情をともにしたことは事実です。ただし、中共はやはり中華思想なのか、外国人が安全な中国へやってこないのはおかしい、外国人に問題があると見ているのですね。でも自らのまいた悪い種が中国を一種の禁断の地にしつつあることには目を瞑っているようです。再度、勇敢な中国人女性胡友平さんへ哀悼したいと思います。 蘇州テロに対する中国社会の価値感は非常に明確だ:環球時報社説 6 月24日、江蘇省蘇州市で刃物による襲撃事件が発生し、日本人の母子が負傷した。最新のニュースによると、犯人を止めようと勇敢に立ち向かい重傷を負った中国人の胡友平さんも、重傷を負い水曜日に亡くなった。蘇州の地元当局は、胡さんに "蘇州市勇敢模範"の称号を授与するよう、市政府に要望書を提出した。私たちは彼女の勇気に感動し、彼女の死を悲しみ、事件の被害者全員の一日も早い回復を願う。犯人の胡錦濤容疑者が公正な法的裁きを受けることは確実である。 生前、胡さんが人々に残した最後の姿は、悪党の犯罪を未然に防ぐことだった。この凶悪な事件で、普通の中国人が生死を分ける重大な瞬間に本能的に前に出て、他の罪のない人々に向けられた鋭いナイフを体を使って防いだ。この正義の行動は感動的であり、公式の死後表彰やネット上の追悼文からもわかるように、中国社会全体から高く評価されている。 国籍を問わず、すべての犠牲者に人道的な哀悼の意を表したい。同時に、どのような社会も複雑であり、公安のガバナンスが良好な場所であっても、悪質な攻撃を完全に排除することは困難であることを指摘する必要がある。犯罪行為を非難する一方で、犯罪行為に対して中国の一般市民が示す正義感を認識することも重要である。先日、吉林省で外国人4人と中国人観光客1人が刺された事件も、孤立した事件であり、勇敢に行動した中国人もいた。暴力に直面したとき、そこには中国人と外国人の区別はなく、正義と犯罪の戦いがあるだけだ。それは中国社会全体の親切で友好的で勇敢な精神を反映したものであり、中国社会のDNAに組み込まれた特徴である。 私たちは、日本の世論が中国社会とかなりの程度共鳴していることに気づいた。この女性が重傷を負ったことが報じられると、多くの日本のネット

第96回 ウクライナを巡る「平和サミット」の不調は最初からわかっていたと冷笑する中共。だが、世界は中共が中心となった秩序は望んでいないのだ。

Image
  第96回  スイスで開催された平和サミットに中国は参加せず、最初から成功しないことはわかっていたなどと述べ、ロシア排除に動いた西側諸国の考え方がいびつだ、われわれこそ和平を望み最初から駆け回っていると主張しておりますが、要は自分たちが中心の平和構想でなければ受け入れられないと言っているのと同じではないでしょうか。そこには西側諸国が主体の現在の国際秩序に加わるつもりはない、自分たちが新たな秩序を作っていくのだとの主張が見え隠れし、現状を変更する勢力としての不穏な主張に聞こえるトーンがあります。 ご注意  以下は中共のプロパガンダ紙環球時報英語版の社説を翻訳したものであり、文中の意見や主張は本プログのものではありません。敵にしたときに慌てないように私達は敵のことをもっと知らなければなりません。   ウクライナ和平サミットはなぜ「ほとんど達成できない」まま閉会したのか? ス イスでウクライナ平和サミットが6月15日から16日にかけて開催された。90カ国以上から首脳や代表が出席したが、半数は西側諸国であった。イタリアでのG7サミットを終えたばかりの欧米首脳のほとんどが、この会議を支援するためスイスに向かった。主催者であるスイスは、会議の主な目的は、最終的にはロシアを巻き込む可能性のある「将来の和平プロセスを鼓舞する」ことだと述べた。しかし、欧米メディアはこの「平和サミット」を、どちらかの味方をするための会議として扱った。ブルームバーグは、グローバル・サウスのどの影響力のある国々が今回のイベントに参加したのか、その人員と態度はどの程度なのか、詳細に列挙している。中国、インド、南アフリカ、ブラジル、サウジアラビアなどがリストに載っている。 一部の欧米メディアの報道によれば、この会議は160以上の国や国際機関に招待状を送ったが、出席者リストは何度も変更され、結局100を超えなかった。ブラジル、インド、南アフリカは下級代表を会議に送り込み、他の数十カ国は欠席した。西側メディアは、主に "ロシアを孤立させることができなかった"という理由で、この結果に失望を表明した。この会議が「大きな成果を生む可能性は低い」と認識しながら、参加しなかった中国を非難し、さらには、欧米に対抗することを意図したウクライナ危機の政治的解決に関する中国とブラジルの「6項目のコンセンサス」

第95回 シャングリラ対話を振り返り、中国こそ言行一致の平和の守護者であると大言壮語を展開しても何ら恥じることのない中共の思考

Image
  第95回  ここまで自己中心的な演説を聞いて、参列の近隣諸国の参加者は何を感じたでしょうか。アジア太平洋から米国の影響を除去したい中共の思惑はあきらかですが、近隣諸国のみなさんも一方にだけ肩入れすることの危険を知っているからこそ、中共の嘘をまにうけたふりをしているだけなのですが。     ご注意  以下は中共のプロパガンダ紙環球時報英語版の社説をそのまま翻訳したものであり、当ブログの主張や意見ではありませんが、文中の下線あるいは強調部分は当ブログによるものです。   中国は言行一致のアジア太平洋での平和の守護者だ 環球時報社説 中国の董軍(ドン・ジュン)国防相は6月2日、シンガポールで開催された第21回シャングリラ対話で、世界の安全保障に対する中国のアプローチについて演説した。非常に期待されていた演目で、主催者は対話のハイライトとして最終日に手配した。アジア太平洋情勢は激動中で、安全保障問題は関係者の大きな関心を集めている。アジア太平洋地域の大国中国の見解と行動は、地域情勢にとって重大な意味を持つ。一部海外メディアが董演説をシャングリラ対話の注目点のひとつに挙げたのも当然だろう。 演説を通じ董国防相が伝えたメッセージは、"平和"の一語に集約される。国防省が発表した500字を超えるスピーチ情報の中には、"平和"、"調和"、"平和は尊い"という言葉がある。これは中国の長年の立場であり、調和を追求し平和を愛するアジア太平洋地域に住む人々への回答でもある。比べてみれば、前日のロイド・オースティン米国防長官の演説では、「抑止」「戦闘」「演習」が随所に見られた。オースティンはまた、"米軍は依然として地球上で最も戦闘能力の高い軍隊だ"、"インド太平洋は依然として我々の優先的な作戦地域だ"と述べ実力行使を示唆した。一方は平和を呼びかけ、他方は戦争を呼びかける中国とアメリカ両国の国防トップのスピーチは、この地域の他の国々にどのような感情をもたらしたのだろうか? 董は演説の中で「三不」を掲げた。覇権主義やパワーポリティックスがアジア太平洋に害を与えることを許さない。また、アジア太平洋に地政学的紛争、冷戦、熱戦が持ち込まれることも許さない。また、いかなる国やいかな