第23回 PLA創設記念日にペロシ訪台が重なり、動揺が隠せない中共は、自らを平和勢力とみなし、アジア太平洋の安定を乱すのは米国等の覇権勢力だと見ている。

 ポイント:

  • 中国は平和国家であり、国防政策は防衛的だ

  • しかし、中国包囲網でアジア太平洋の平和が脅かされているので中国の軍備は今後も増大させる

  • ペロシが訪台日程を公表しないのは強力なPLAを恐れているから


以下赤字は当ブログが加えたものです。

Photo:CGTN



PLAは主権と安全を守る戦いを恐れない 

環球時報社説

写真:CGTN

PLA is not afraid to fight for defending sovereignty and security: Global Times editorial

 

By Global Times

Published: Aug 01, 2022 11:39 PM



国人民解放軍(PLA)は月曜日、95歳の誕生日を迎えた。この日、中国のソーシャルメディアではネチズン多数がPLAへ心からの祝福を表明した。「PLA隊員に敬意を表する」「PLAを賞賛する」などのフレーズがトレンドトピックとなった。同時に、世界情勢が覇権主義と冷戦意識に包まれた新たな激動期を迎える中、「国が本当に強く安全になるには、強い軍隊が必要だ」というスローガンが中国人の間でコンセンサスとなっている。PLAは抑止と対策を任務としており、当然ながら数億人の中国国民から特別な尊敬を集めている。


さらに、今年の「PLA記念日」は特殊な状況に直面している。ナンシー・ペロシ米下院議長がこの2日間に台湾訪問する可能性があり、中国の核心的利益を深刻に刺激する


ペロシの挑発はまた、中国が歴史上かつてないほど強力な軍を整備する必要を改めて証明するものだ。ペロシがPLAを恐れていなければ、ここまでの隠密行動はないはずだ。むしろ、彼女は闊歩し、民進党当局や台湾分離派より無謀な行動をとることさえ考えられる。しかし一方で、ペロシのような外患と台湾分離派の結託は、客観的に見てPLAへの要求を高めている。わが軍は、戦争に向けた訓練と準備を怠れず、PLAを世界に通用する軍隊に発展させる努力を加速させねばならない。


中国軍は40年近く戦争していない。このような長期間の平和は、党、政府、軍、そしてすべての中国国民の共同の努力で勝ち取られたものである。それは中国の全面的かつ急速な発展の基本的条件であり、大切に守り抜くに値するものだ。


しかし同時に、私たちは絶対的な平和主義を望む素朴な考え方とは、距離を置き、警戒を怠らないよう、常に注意を喚起する必要がある。長く平和に暮らしてきた結果、戦うことを忘れる事態は避けねばならない。中国のような大国にとって、国防建設への考え方が甘くなることは考えられない。


激動する近年の国際情勢は、世界が決して平和でないことを繰り返し教えている。紛争地域の荒廃と極度の不幸の光景は、中国人民の心に深く刻み込まれた。平和な世界など存在しない。たまたま中国に住んでいる私たちは、誰かが平和を守る重荷を背負っているからこそ、平和を感じているのだ。ネチズンが表現し、共有する感情は、中国社会で強く共鳴している。こうした草の根の直感的な感情は、国際政治の現実に即したもんで、世界や中国への理解を豊かにし、向上させるのに役立つ。これは非常に必要なことである。


言うまでもなく、米国の中国に対する露骨な包囲網と封じ込めが、中国の周辺環境を急速に悪化させている。米国は、同盟国とともに、中国の統一を阻害する障害を作り出している。アジア太平洋の平和と発展がますます脅かされている。つまり、中国軍が直面する課題はより厳しく複雑であり、責任もさらに困難になっている。


過去10年間、中国軍の戦闘能力は大きく向上し、武器・装備、組織体系、実戦訓練、軍事理論、人材育成のすべてが歴史的な進歩を遂げた。一方で、国防を強化し、中国の国際的地位に見合う軍を建設し、国家の安全保障と発展の利益に合致し、中華民族の偉大な再興に戦略的支援を提供するための継続的努力が必要である。そのために軍が必要とするのは、国防予算の十分な増加のほか、常に戦闘態勢を重視した実戦能力の継続的な向上であり、戦闘に備え、戦闘能力を備え、勝利を確信できる精鋭強力部隊を形成することである。


アメリカや西側諸国は、軍事費を大幅に増やし、公に中国に圧力をかけながら、中国の正常な軍事力増強を批判してきたことは指摘するまでもないだろう。彼らの論理によれば、中国は「脅威」や「攻撃的」でないよう「歯」を抜いた方がいいことになる。中国人はこのトリックに引っかからない。実際、軍事を覇権主義の道具とする米国と異なり、中国は常に防衛的な国防政策をとっている。中国は自国の主権、安全、発展の利益を守るために軍事力を発展させている。現在直面している外部脅威と挑戦を見れば、中国の軍事力はまだ十分とは言えない


近代以降の中国は外国の侵略と戦争から多大な被害を受けた。中国人民はあらゆる苦悩を経験した後、誰よりも平和を愛し、大切にしている。しかし、これは平和のためなら核心的利益を交換し、いじめを容認していいことを意味しない。攻撃されない限りは攻撃しないが、攻撃されれば必ず反撃する。人民軍は、あらゆる強力なライバルと戦い、次々と勝利を収めてきたため、戦いを恐れることはなく、常に戦いに秀でている。


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