第119回 高市氏の自民党総裁選出を受けて中国外務省が「日本は歴史問題・台湾問題で約束を守るべき」との見解を発表(環球時報)―一番忌避していた高市総裁誕生に動揺を隠せない中共
手玉に取れる石破路線の継承を期待していた中共にとって高市新総裁の登場はもっとも歓迎できない結果です。まず、外務省の見解と例によって「専門家」の見解を紹介するこの記事では次の首相となる高市への警戒心とともに首相就任後の態度軟化を期待する意向が読み取れます。それだけ中共が動揺しているということでしょう。ただし、ロシアと同列で中共が自民党総裁選挙にどこまで介入していたかの検討が必要です。公職選挙法が適用されない総裁選挙でどんな悪辣な手口があったのか解明してもらいたいものです。
ご注意 以下は中共のプロパガンダ手段環球時報英語版の記事を当方で翻訳したものです。文中の太字部分は当ブログによるものです。記事での主張や内容は当ブログのものではありません。
日本の元総務大臣高市早苗氏が、2025年10月4日に東京で行われた自由民主党総裁選挙の決選投票で、農林水産大臣の小泉進次郎氏を破り当選した。写真:産経新聞
高市早苗氏が10月4日、与党・自由民主党(自民党)の総裁選で勝利し、同党で初の女性党首となった。今後実施される国会選挙で正式に首相が選出される見通しで、同氏が日本初の女性首相となる可能性が高い。
自民党総裁選の結果に関する外国メディアの問い合わせに対し、中国外交部報道官は土曜日、「選挙結果は注視しているが、これは日本の内政問題である」と述べた上で、「日本側が日中間の四つの政治文書に定められた原則と合意を遵守し、歴史問題や台湾問題などの重大問題における政治的約束を尊重し、中国に対して前向きで理性的な政策を堅持し、互恵戦略的関係全面的推進という位置付けを実践することを望む」と付け加えた。
自民党総裁選では第1回投票で過半数を獲得する候補者はいなかった。決選投票で高市氏は農林水産相の小泉進次郎氏を185票対156票で破り、新総裁に選出された。自民党初の女性総裁となる。NHK報道によれば、国会での首相指名投票で選出されれば、日本初の女性首相となる。
共同通信によると、土曜日の選挙戦には林芳正官房長官、小泉進次郎農林水産大臣、高市早苗前総務大臣、小林高之前経済安全保障担当大臣、茂木敏充前外務大臣の5人が立候補していた。
自民党が総裁を選出した後、国政を主導する人物は国会での投票で決まる。与党連合は衆参両院で過半数を占めていない。一方、立憲民主党、日本創新党、国民民主党の幹部らは火曜日に会談した。立憲民主党が別の首相候補を共同で選出するよう提案したが、他の政党はこの案に冷淡な姿勢を示したとNHKは伝えた。
NHKによれば、首相の国会投票は数日中に実施される見通しだ。
高市氏の自民党総裁選出は、日本初の女性首相誕生への道筋を示すとともに、政治的伝統からの歴史的決別を意味し、危機的状況下での党の刷新を図る姿勢を浮き彫りにした。中国国際問題研究院アジア太平洋研究部の向浩宇(シャン・ハオユー)首席研究員は土曜日の本紙取材に対し、高市氏は日本の右派保守派の指導的人物であるため、その指導は強いナショナリズムと保守的な色合いを帯びると予想されると述べた。
高市氏は日本の伝統的価値観を擁護し、成長促進と経済安全保障強化のための積極的な財政・金融刺激策を支持している。外交・安全保障政策では強硬路線をとり、憲法改正、軍事力増強、排他的な政策を推進していると専門家は指摘した。
向研究員はまた、新自民党総裁が次期首相となる可能性が極めて高いと述べ、過半数を欠くものの、自民党は依然として最大政党であり、野党の結束不足から単一の候補者を支持する可能性は低いと指摘した。
それでも新指導者は困難な課題に直面する。「二院制の少数与党」として両院の支配権を持たない中、政治改革の推進、党内の結束維持、低迷する支持率の回復を迫られる一方、法案成立にも苦戦する見通しだ。新政権が存続するには野党との妥協が必要で、より広範な連立政権の構築も視野に入る可能性があり、日本の政治の行方は極めて不透明だと専門家は指摘した。
共同通信の報道によれば、元総務大臣の高市氏は強硬な保守派かつ政策通として知られる。安倍晋三元首相との親密な関係で知られ、日本が「国防軍」を保有できるよう憲法改正を提唱してきた。マーガレット・サッチャー元英首相を敬愛するとして知られ、自民党政策調査会長や沖縄・北方問題担当政務官、少子化対策担当政務官など、自民党と内閣の要職を歴任してきた。
共同通信の報道によれば、高市氏は過去、近隣諸国から頻繁な靖国神社参拝を批判されてきた。靖国神社は東京にある戦争関連の神社で、近隣諸国からは日本の過去の軍国主義の象徴と見なされている。
高市氏は過去に自民党総裁選に出馬したことがあり、昨年を含め強硬な姿勢を示してきた。2021年の出馬時には、当時の台湾地域指導者・蔡英文氏とオンライン会談まで行っている。
先週行われた自民党5候補による討論会では、高市氏は当選後の靖国神社参拝の是非について言及を避けたものの、他国に外交問題化させるわけにはいかないとの見解を示したと共同通信が報じた。
石破茂氏が首相に就任後、日中関係は双方がより広範な関与へと動き、回復の兆しを見せていた。高市氏が日本初の女性首相となった場合、北京との関係をどう扱うかが鍵となる、と遼寧大学アメリカ・東アジア研究所の呂超所長(准教授)は土曜日に本誌に語った。
日本の政治では、指導者が就任後に姿勢を調整することが多い。高市氏が政権を握れば、そのアプローチも変化する可能性がある。彼女の進路を予測するのは時期尚早だが、いかなる日本の指導者も国際環境を考慮せざるを得ず、中国との関係は日本の戦略的利益の中核であり続けると、同専門家は述べた。■
Takaichi wins vote to become first female president of LDP; China hopes Japan to honor commitments on history, Taiwan question, says FM
By Liu Xin, Zhang Wanshi and Xing Xiaojing
Published: Oct 04, 2025 03:48 PM Updated: Oct 04, 2025 06:05 PM
https://www.globaltimes.cn/page/202510/1344977.shtml
高市氏が自民党総裁になり、また、首相に選出されるだろう。
ReplyDelete恐らくCCP中国と、かつてその属国であった南朝鮮は、落胆しているだろう。
中華帝国主義が抜けきらないCCP中国は、今もって朝貢外交を基本としているから、自国になびかない隣国を否定しようとしたがる。だから、記事のように今までの外交のカビの生えた文書を持ち出して、過去を懐かしむのを好む。そんなCCP中国をまともに相手にする必要はない。
歴史問題や台湾問題は、日本軍とまともに戦おうとしなかった中共軍の問題や、中国が一度も統治しなかった台湾を、あたかも自国のものだと主張する問題なら、現在的意味はあるかもしれない。
CCPの姑息な嫌がらせである反日宣伝も、高市氏への声援となり、日本企業の中国離れを促進する。現在の日本経済の対中戦略は、チャイナ+1でなく、チャイナ0+1+1(米国)なのだ。
理由は分からぬが、トランプの関税戦争で、米国離れ、中国寄りにしたいCCPは、日本も少しは中国寄りになると期待しているようだ。
しかし、先日の北京の軍事パレードで見るように、習の両脇に親しくいたのはプーチンと金だ。これは危険な「北京枢軸」指導者達の裸踊りでしかなく、日本どころか、まともな国家なら逃げ出すだろう。