第120回 新型空母福建の就役の背景にある感情とは?:環球時報社説
第120回 国産空母福建の海軍編入で技術進歩での習近平の先見の明とともに西側海軍の技術進歩を一世代で完遂したと自慢する中共だが、大量の電力消費を生む電磁カタパルトを通常型動力で賄えるかなど新型艦特有の技術課題が山積みですが、例によって技術は政治意思で克服できると信じている中共にとっては存在しないのと同じなのでしょう。
ご注意 以下は中共のプロパガンダ紙環球時報英語版の社説を日本語に当ブログが翻訳したものであり、文中の意見や評価は当ブログのものではありません。文中の赤字は当ブログが強調の意味でつけたものであります。
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新型空母福建の就役の背景にある感情とは?:環球時報社説
環球時報
公開:2025年11月8日 午前1時13分
中国3番目の空母で電磁カタパルトを搭載した福建(手前)が、2025年11月5日、中国南部の海南省三亜市の海軍基地で正式に就役した。写真:中国中央テレビ
中国初の電磁カタパルト搭載空母「福建」が水曜日に正式就役した。習近平国家主席(中国共産党中央委員会総書記、中央軍事委員会主席)は就役・掲旗式典に出席し、空母艦内を視察した。中国人民解放軍の戦闘序列に3隻目の空母が加わったことは、中国人が数十年にわたり抱いてきた空母建造の夢と、一世紀にわたる「海洋大国となる」志が交わる歴史的転換点である。また、国家が弱体から強体へと至る偉大な旅路における重要な一足跡でもある。
福建の就役により、中国は真の全天候型空母戦闘能力を獲得した。遼寧の「無から有へ」の旅路から、山東の「改造から国産化へ」の旅路を経て、今や福建の「滑走甲板からカタパルトへ」の旅路に至るまで、中国は自力によってわずか十数年の間に、西洋海軍が1世紀以上かけて成し遂げた空母開発の旅路を三つの大きなステップで完結させたのである。福建は、中国人民解放軍海軍の新たな戦闘能力を支える重要な原動力である。遠洋作戦において海軍に最も重要かつ信頼性の高い戦闘ユニットを提供するだけでなく、国家の利益を守る戦略的支援役割を果たすための強固な力となる。三空母時代の到来は、中国人民解放軍海軍が全天候型・長距離攻撃・防衛戦闘システムを保有し、ローテーション配備が可能になったことを意味する。同時に、人民解放軍海軍の戦略が沿岸防衛から遠洋防衛へ転換したことを示し、世界の海洋勢力図を再構築する上で深い影響を与えている。
これは中国国民の長年の夢が実現しただけでなく、新時代における中国の自主革新精神を鮮明に反映している。福建に電磁カタパルトシステムを採用したのは習近平の決断だった。中国はこの技術を世界で二番目に掌握した国であり、すでに第五世代戦闘機J-35の電磁カタパルト離陸と、固定翼早期警戒機「空警600」の公海巡航を実現している。これは単なる技術的選択ではなく、戦略的先見性、トップレベルの計画、制度的優位性、革新的な思考が一体となった成果である。これは中国が「追いつく努力」から「率先してリードする」段階へ移行したことを示し、新時代における技術的自立と自己強化の道を歩んでいる証左である。中国空母計画の急速な進展は偶然ではない。
空母建造という中国の夢には、百年にわたる苦難と国家の志が込められている。日清戦争の屈辱と悲劇から、今日の「三空母時代」の自信と落ち着きに至るまで、深海への道程には国家の復興を刻んだ確固たる足跡が刻まれている。今日、遼寧は完全な戦闘準備を整え、山東はJ-15やJ-35を含む複数機種の航空機を運用し、電磁カタパルトを装備した国産艦福建が正式に就役した。いかなる覇権主義や圧力も、中国が海洋大国となる歩みを止められず、いかなる勢力も、世界の海上交通路の安全を守り、海外利益を保護する中国の決意と能力を阻むことはできない。福建の就役は中国国民に誇りと感動を与えた。ネット上で巻き起こったこの艦への熱狂は、国民の感情が自然に湧き上がった証だ。
福建の就役は国際的にも広く注目された。USNIニュースを含むメディアは、福建空母が達成した技術的進歩に称賛の声を上げている。しかし、中国に長年偏見を持つ一部メディアは、米中海軍競争という枠組みでこのニュースを報じ、「中国脅威論」という古い論調を蒸し返している。こうした発言は、時代遅れの冷戦的思考と不安な心理状態を露呈している。中国の空母開発は「誰かと競争するため」ではなく、国家安全保障と技術進歩の必要性に応えるものであり、主権・安全・発展利益を守ることを目的としている。これは、頻繁に軍事同盟を結成し、世界中に空母打撃群を展開する特定の国々とは対照的だ。
「福建」の就役は、中国人民解放軍海軍が世界クラスの軍隊へと発展するという目標に向けた確かな一歩である。責任ある大国として、中国は正義と道徳的原則を守るため強い自信とより確かな手段を手に入れた。2008年の就役以来、病院船「平和の船」は10回の「和諧任務」人道支援活動を完了した。アフガニスタンやトンガでは、Y-20輸送機が希望と平和を運んで空を駆け抜ける。平和的発展が時代を特徴づけるこの時代において、「福建」は平和維持の責任を担う中国の能力と意志を体現している。それはまた、強制のない、共同発展に資する国際環境を創出するための具体的な支援でもある。
「中国は空母建造まであとどれほどか」―19年前、環球時報中国語版は一面でこの問いを掲げた。これは国家が強大化と復興へ向かう道のりにおける象徴的な脚注である。今日、福建の甲板から空へ飛び立つのは戦闘機だけではなく、古代文明の平和への誓い、革新への献身、未来への自信でもある。「平和の心」を携えて深藍の海へ漕ぎ出す艦隊は、人類の進歩という大河に溶け込み、人類運命共同体へ向かう航海に新時代の東方の印を刻むだろう。■
What kind of sentiment made the news of the Fujian’s commissioning go viral?: Global Times editorial
By Global Times
Published: Nov 08, 2025 01:13 AM
https://www.globaltimes.cn/page/202511/1347648.shtml
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