第57回 愛国教育法改正に反対を認めない中共のねらいは「有害」思想が教育現場に入ることの否定。「主流」思想は中共の指導原理、それ以外は認めない。その結果、恐ろしい事態が生まれることに目をつぶる。

 第57回 中国の愛国教育への不当な攻撃は愛国主義思想の根絶やしを狙ったものとし、中共による統治を主流思想ととらえ、その他有害な外部からの影響が入り込む余地を封じ込めるのが法改正の趣旨で、現体制の維持強化を最上段に上げるため、中国大陸に「自由」「民主」の思想は根絶やしになる。世界との隔絶が一層広がる事に気づかず、自己中心的な思考で世界を困らせることになろう。


ご注意 以下は中共がバックにつく『環球時報』英語版の論説を翻訳したものです。中で展開されている主張は当ブログのものではありません。


Three men hold Chinese national flags at Tiananmen Square in Beijing on Tuesday after the flag-raising ceremony. Photo: Cui Meng/GT


北京の天安門広場で中国国旗を掲げる3人の男性。写真 崔孟/GT


し政府が麻薬取引の全面取締法案を提出したら、一番困るのは誰か?最も可能性の高いのは麻薬の売人だろう。中国が最近、愛国心に向けた法整備を進めている中で一部勢力が「麻薬密売人」だと露呈している。




今週、愛国教育法草案が全国人民代表大会常務委員会に提出され、初読された。その後、外部から、さまざまな形でこの取り組みに悪評をつける声が出た。ある者は「若い世代を洗脳している」と批判し、ある者は「専制政治を愛するよう国民に強要している」と言い、またある者は「異論を弾圧する手段」と見なした。


愛国教育は、ほぼすべての国で国民教育の重要な要素となっている。世界を観察すれば、法の支配を通じ愛国教育を推進し、保証することは、多数国で一般的に行われているのがわかるだろう。


例えば、ある調査によると、米国には愛国心に関連する600以上の法律と規則、1700以上の規定があり、愛国心の育成を保証するために連邦法、州法、大統領令からなる愛国心を発展させた法体系を形成している。


しかし、中国となると、同様の立法措置のあらゆる側面が歪んだレンズを通して解釈されている。一部外部勢力がダブルスタンダードを用いており、極めて不合理で悪意に満ちている。


愛国心は古代から中国文化に深く根付いている。中国国民はそれを最も重要な伝統的美徳のひとつとみなし、代々子供たちに教えてきた。中国の愛国心教育法への中傷キャンペーンは、このような中国文化の根源を国家のイデオロギー領域から消し去ろうとするアメリカと西側の情報戦の一環であることは明らかだ。


さらに、中国国民は自国を愛しているため、愛国教育の強化を支持している。そして国民のほとんどは、愛国教育の法的保障を支持するだろう。このことは、中国政府が「国民に愛国心を押し付けている」との主張を一蹴するものだ。


時代の発展とともに、中国の愛国教育は新しい課題に直面している。一方で、中国の教育には歴史ニヒリズムの各種事例が見られる。教育は対中情報戦で最も標的になる分野の一つであるため、中国の現在の教育制度のある種の抜け穴が、イデオロギー浸透の入り口として利用されている。


一方、中国ではインターネット普及に伴い、サイバースペース上に多数の情報源が出現し、多様な声が錯綜している。これで誤った価値観の流布が可能になっており、中国のサイバースペースを混沌とした環境に変えている。悪意を持つ一部の外部勢力にとっては、中国のインターネットが混乱すればするほどよく、中国の主流イデオロギーを分裂させ、解体させようとする。


これらの要因は、中国の愛国教育に大きな影響を与え、中国のイデオロギーと国家安全保障に脅威をもたらしている。したがって、こうした状況を鑑みれば、国家体制と文化に対する信頼を守るための基本法と同様に、すべての人を団結させる強力な主流イデオロギーを確立することが極めて重要である。


西側の一部勢力は、中国が愛国教育を強化することを望まない。彼らは内心では、中国国内で歴史ニヒリズムの信奉者を育成し、西洋イデオロギーを容易に押し付けることができるようにしたいと考えている。


こうした人々は、中国社会から愛国心を排除し、主流思想を超自由主義など誤った方向に導こうとしている。彼らは、あたかもそのような価値観で「中国人に力を与えている」かのように振る舞っているが、実際は、中国人の思考を腐敗させ、情報戦における将来の動きを容易にしたいだけなのだ。


機能的な問題を提起することなく、中国の愛国教育法草案に違和感を覚える勢力は、中国の教育が提唱する愛国精神に反対していることを証明するだけだ。彼らが標的にされていると感じるのは、この草案が愛国心をくじき、中国の安全保障を脅かし、挑戦する彼らの努力が妨げられるからなのだ。■


Malicious attacks on China’s patriotic education law aim to ‘weed out’ patriotism - Global Times

By Global Times

Published: Jun 29, 2023 09:18 PM


Comments

  1. ぼたんのちからJuly 2, 2023 at 8:47 PM

    今の中国に国を愛する、愛国と言う考えがあるとは思わなかった。しかも、外国向けとは言え、CCPのプロパガンダ紙が! かつての反日暴動の「愛国無罪」は、CCPのアルバイト動員者の暴力行為の免罪符であった。
    記事の本心は、習を、そうでなければCCPを愛せと言いたいのだが、対外的にそんな主張を言えば、馬鹿にされるだけだから、外国で一般的な愛国心を、CCP製愛「国」心にすり替えたのだ。
    CCPにとって「愛国心」捏造の目的は、愛国教育にあり、国=CCPの思想を徹底し、CCPの目的を容易に達成する風土を醸成するためのものである。つまり、愛国教育は、愚民制度のツールである。
    愛国教育の中身は、習崇拝であり、外国文化を排除するものであるから、教えられる方の考え方は著しく偏ったものになり、著しく愚かな人民の大量生産となるかもしれない。
    多くの賢い中国人民は、CCP教育を理解し、信じるフリをしなければ社会で不利益を被るかもしれないから、習を礼賛している。注意すべきは、一部の熱狂的愛国者である。彼らは、習とCCPを戦争に駆り立てようとするだろう。
    これらの習の愚民政策は、もちろん毛の政策の焼き直しであり、その結果は、第2の文化大革命になるかもしれない。

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