第26回 韓国は中国を尊重する自主外交を貫けば中国の尊敬を獲得できる(日本との違い)

 第26回

 

中共の見るポイント

  • 中国を慮る姿勢を示した韓国を中国は評価

  • 韓国の自主外交は、日本と対照的

  • 韓国が米国の意向を汲めば、米国に屈することになるが、中国の意向を尊重するのは屈服ではない

  • 台湾、半導体、対中封じ込め政策で韓国が中国の意向に沿った動きをすることを期待

 

 

China South Korea Photo:VCG

 

 

国の朴晋外相は1日午後、山東省青島に到着し、就任後初の中国訪問をスタートさせた。また、尹錫烈(ユン・ソクヨル)新政権発足後、初の韓国高官訪中団となった。中韓両国は今回の訪中を非常に重視しており、両国で深く対話する価値のあるテーマが多数存在する。また、今回の訪問は、東アジア情勢に深刻な影響を及ぼし、国際社会から大きな注目と複雑な解釈を集めたナンシー・ペロシ米国下院議長の台湾訪問の直後だ。

 

台湾島訪問後のペロシ訪韓で、尹氏と朴氏が米下院議長に会わなかったことに多くが注目している。また、韓国側はペロシと台湾問題を議論することを意図的に避けていた。このような取り決めについては、韓国には特殊な地理的位置に対する配慮があり、単純に見ることはできない。しかし、中国社会は一般に、韓国の自主的な外交と中国に対する合理性を、特に日本との鋭い対比の中で示したものとみなしている。その結果、韓国は中国社会から認知され、尊敬されるようになった。このことにより、朴外相の訪中である程度、建設的で前向きな雰囲気を作り出している。

 

しかし明らかに、一部国は中韓関係が健全で安定した発展の勢いを維持することを望んでいない。中国と韓国が歩み寄ろうとするとき、不吉な質問や挑発を交えて冷水を浴びせかけられることが多い。今回もそうだ。韓国の保守的な世論を含む米国と西側の主要メディアは、中韓関係の否定的な側面を強調、増幅し、相違や矛盾、さらには対立を生み出すことに慣れている。

 

現実の一部は実に憂慮すべきものである。中韓の互恵・友好協力を主張する声が弱まり、感情的な近視眼に満ちた過激な態度が強まっている。中韓関係を前進させようとすれば、抵抗はますます大きくなってきた。中国と韓国は、こうした勢力が掘った落とし穴を踏み越え、彼らが設定した障壁を突破しなければならない。

 

尹政権が就任後3カ月間、常にポピュリズムに拉致されないよう意図的に努力していることに気づく。米国との同盟関係を強化し、日本との緊張を緩和する一方で、中国との関係にも気を配り、中韓関係はおおむね安定した傾向を保っている。このようなダイナミックな関係をさらに強化し、継承していくことが、中韓両国の利益となると強調したい。

 

THAAD配備問題は、中韓関係で避けることのできない隠れた大きな危険である。韓国が自国の安全保障を維持するため必要な措置を取ることに反対はしないが、韓国の友好的な隣人である中国の安全保障上の利益を損なうこのを前提にすることはできない。THAADは、ワシントンが北東アジアに打ち込もうとしているくさびであり、紛争から利益を得るためこの地域を混乱させるものである。ソウルには、北京の戦略的利益を尊重することを「中国に屈する」と解釈しないでほしい。逆に、ワシントンの圧力の下でTHAADを配備することで、まさに「米国の利益に屈する」ことになると見るべきだ。中国は韓国に「友達」の作り方を教えたことはないが、韓国は「友達」から渡されたナイフを受け入れてはならない。

 

さらに、韓国にとって緊急課題は、米国が8月末に、米国、日本、韓国、中国の台湾というチップ製造強国の連合体、いわゆる「チップ4」実務者会議を開催することである。最近、韓国メディアでは、この会議に参加すべきかどうか、またどのように参加すべきかが議論されている。韓国メディアの最新報道によると、韓国政府は最近、事前の「チップ4」会合に参加する意向を示し、他の参加者に「一帯一路政策を尊重し、中国への輸出障壁について言及しないよう」理屈をつけるという。要するに、「中国を刺激してはいけない」ということだ。もし、韓国が米国が束ねる小さな徒党に参加しなければならないのなら、国際社会は韓国が本当にバランスを取り、修正する役割を果たすことを期待することになる。これはソウルのユニークな価値も現している。

 

韓国は、敏感で特殊な地政学的位置にある地域の重要な国である。先に述べたように、台湾問題、半導体サプライチェーン、アジア太平洋地域で中国を封じ込める米国の様々な動きについて、韓国の利益と政策志向は米国や日本とは明確に異なっている。ソウルが現実と長期的利益の観点から問題を検討することを主張する限り、中韓協力の余地は十分にある。朴外相の今回の訪中は、中韓関係のさらなる発展を促す契機になると思われる。■

 

South Korea naturally wins respect when it adheres to independent diplomacy: Global Times editorial

 

By Global Times

Published: Aug 08, 2022 11:49 PM


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