第38回。COVID感染で中国大陸全体が危険になっている現状はない。中国の混乱を期待する西側の意図は悪質だ。

第38回。透明性の欠如のまま、強硬なコロナ封じ込め政策を続けた挙げ句、集団免疫を生まない独自のワクチンの欠陥には目をつぶり、西側からの懸念には目をつぶるCCPの思考の欠陥に問題がある。また、国民が信用していないことにも目をつぶるのがCCPの特性だ。各国が中国からの渡航に制限を加えているのは前回のCOVID大量感染が中国から広まったこと事実があるためで、これは中国のメンツをどうこうしようというものではない。<この記事はCCPにつながる環球時報の社説を日本語に直したものです>

 

 

短期間のみの不完全さを批判し、COVIDに対する3年間の中国の努力を否定したい西側の試みは無駄に終わる 

 

 

疫病規制を緩和した中国はCOVID感染の新たな波に直面している。欧米メディアは、中国の3年にわたるウイルスとの戦いは失敗だったとするシナリオを、時間をおかずに宣伝している。水曜日掲載のCNN記事を見てほしい。記事では、COVIDゼロは中国の覇権を証明するはずだったが、うまくいかなかったと示唆している。

 

CNNは、2022年の始まり「北京が冬季オリンピックからコロナウイルスをほとんど寄せ付けないことでCOVID封じ込め対策の成功を誇示していた時点」と、年末の「混乱と混迷」を比較している。

 

これまで厳格なCOVID封じ込め対策を理由に中国を「権威主義」と中傷してきた連中が、今度はCOVID政策が最適化された後、中国が「混乱と混迷」に歩を進めると非難している勢力と同一であることは想像に難くない。今回は、中国の過去3年間の努力を全否定し、中国の国家統治を根本から貶めるという、悪質な目的を持っている。

 

中国の2022年の歩みは、パンデミック発生後、初めて予定通り開催に成功した世界的な総合スポーツイベント冬季オリンピックから始まった。その後、上海などの都市や地域で、COVID患者の反動が発生した。年末、中国は徐々に政策を調整し、正常への復帰に向けた移行モードを開始した。

 

2022年、中国に立ちはだった大きなウイルスは、これまでの2年間とは異なり、オミクロンだった。2021年末にこのウイルスが中国で発見された直後、オミクロンは急速に広がり、地域感染が起こる他のコロナウイルス亜種を凌駕することが分かっています。2022年の中国での防疫対策は、流行の状況が変化する中で、常に調整と最適化を行うプロセスであったと言える。その結果、オミクロンはほとんど阻止できないものの、アルファやデルタといった初期株より毒性が低いことがわかった。このような背景で、中国は開放に踏み切った。今回の結果は、感染力が強いことは証明されましたが、重症化の割合は低い。

 

しかし、今回の感染に触れた欧米のジャーナリストの報道には、歓喜が感じられる。中国のこれまでの対応は、欧米の多くの国の政策を無能に見せ、同じ理由でその国のエリートを不安にさせていたためだ。

 

しかし、欧米諸国が短期間だけの不完全さを批判し、中国の3年間のCOVID対策を否定しようとしても、無駄に終わるだろう。中国の疫病対策では、2022年とその前の2年間を切り離すことはできない。中国の公衆衛生危機への対応を評するには、大局的な見地で検討する必要がある。

 

まず、人々の生命と健康が十分に守られているかどうかが、疑う余地もないほど最重要な基準である。中国は欧米諸国のような高い死亡率を回避しただけでなく、平均寿命が着実に伸びている。これに対し、米国の平均寿命は1996年以来最低の水準に落ち込んでいる。

 

第二に、中国の経済発展にさほど支障がなかった。中国は、2020年にGDPがプラス成長する世界で唯一の主要経済国である。アメリカ中の食料品店の棚が一掃され、かなり長い間空っぽのままだったが、中国にはそのような事態はない。また、中国は深刻なインフレに直面していない。中国の国内市場供給は、基本的にフル稼働中だ。中国社会科学院の呂祥研究員は環球時報取材に対し、「これは奇跡としか言いようがない」と語っている。

 

欧米が期待するような社会的混乱は中国には存在しない。不満を持つ人もいるが、ほとんどの人は政府を信頼している。なぜなら、この3年間の成果は、中国の制度的な優位性で、確かなものとなっているからだ。例をふたつ挙げよう。中国は疫病に対処する際、常に国民とその生活を第一に考えてきた。中国は大きな課題に立ち向かうために、資源をプールし、各方面から力を結集できる。かなりの数の西側諸国がそのテストに失敗している。

 

オミクロンは確かに中国で衝撃的な波紋を呼んだ。しかし、国家衛生委員会傘下の中国COVID-19対応専門家委員会の梁万年委員長が言うように、中国のいくつかの都市では、死者多数を出さずに感染ピークの第一波を過ぎ、過ぎつつある。これは、私たちが制限緩和を先延ばしにして、ウイルスが最も野蛮だった時期から遠ざかったからだ。

 

2022年末までには、問題や不完全な点がある。しかし、中国はウイルスとの闘いにおいて、ベストを尽くしてきた。今回のCOVIDの波でも大きなパニックは起きていない。「人の命より大切なものはない」という原則が浸透していることを、人々は知っている。そして、中国社会は、欧米で起こっているような種としての人類の自然淘汰、つまり社会ダーウィニズムが現実になることはないだろう。

 

欧米のメディア関係者やエリートたちは、中国を非難して自分たちの気分を良くしているに過ぎない。国の移行期には痛みが伴うだろうが、中国が欧米よりひどい疫病の泥沼にはまるとの欧米の期待は現実にならない。■

 

West’s attempts to deny China’s three-year effort against COVID by criticizing a short period of imperfection will end up in vain - Global Times

 

By Global Times

Published: Dec 29, 2022 11:42 PM

 

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